上演作品作品ごとのみどころ・特徴について

おほんゴギーノFBより|第26回 月夜の幻燈会「セロ弾きのゴーシュ」|撮影:加藤嘉六さん

上演作品一覧

おほんゴギーノの幻燈会ではイラストレーター小林敏也氏 画の宮沢賢治作品を上演。
宮沢賢治作品の独特の世界観とストーリー展開を生演奏・朗読と共に作品ごとに表現しています。生きた音楽でしか伝えられない物語の臨場感をお楽しみください。

各作品で使用している楽器やぜひ注目してほしいポイント、そして作品のみどころなどをご紹介します

ご覧になりたい作品名をクリックしてください

作品名雪わたり

雪わたり幻燈
youtube動画もご覧ください
「今夜は美しい天気です。お月様はまるで真珠のお皿です。お星さまは野原の露がキラキラ固まったやうです。さて只今から幻燈会をやります。みなさんは瞬きやくしゃみをしないで目をまんまろに開いて見てゐて下さい。」

真っ白な雪の上をキック、キック、トントン。キック、キック、トントン。と兄妹が歌いながら歩いていると、キツネの子、紺三郎に出会います。そしてキツネの幻燈会に兄妹の四郎とかん子は招待されます。

キツネと人間の子のあたたかいふれあいのお話です。
わらべうたや、囃子歌のようなリズムの楽しいお話です。
キツネの幻燈会にいる四郎とかん子、そしてその幻燈を見ている私たち。

生前の賢治さんにとっては唯一原稿料を手にしたお話です。

上演時間37

音楽制作にあたって

空気がキンキンに冷えわたり、降り積もった雪が板のようにかたく凍った冬の景色と、
ミラーヴや能管のきりりとした響きとのコラボレーションをお楽しみください。
主な使用楽器
  • 篠笛
  • 能管
  • タルカス
  • ほか

下線のある楽器名をクリックすると写真をご覧になれます。

篠笛
パーカッション

下線のある楽器名をクリックすると写真をご覧になれます。

ミラーヴ

作品名セロ弾きのゴーシュ

セロ弾きのゴーシュ幻燈
youtube動画もご覧ください
ゴーシュは街の活動写真館(昔の映画館)でセロを弾く係りでした。
けれどもあんまり上手でないという評判でした。
上手でないどころではなく実は仲間の楽手のなかではいちばん下手でしたから、いつでも楽長にいじめられるのでした。

『セロ弾きのゴーシュ』は賢治さんのお話の中でも、とても有名なお話。賢治さんのお話は?わからない・・・と思う方も多いと思いますが、このお話はとてもわかりやすいです。

下手だと言われているゴーシュは街の音楽会の本番に向けて、必死に練習をします。そんなゴーシュの家(こわれた水車小屋)に夜毎、動物がやってきます。

猫・カッコウ・子だぬき・ネズミの親子。
一人で練習するゴーシュにみんな、なんやかんやと言ってきます。はじめは聞く耳を持たなかったゴーシュですが、だんだん変化してゆきます。

さぁゴーシュの音楽はどう変わっていったでしょうか?

オープニングの植松葉子作曲のメロディ、入野智江のハルモニウムの音色が印象的な作品です。
どうぞお楽しみください。

上演時間45

音楽制作にあたって

チェロという楽器を使わずに、チェロを弾くゴーシュの物語をどのように表現するか・・・
また、日本の笛を使用して『インドの虎狩り』やジャズの『愉快な馬車屋』の曲をどんな風に作るか・・・
試行錯誤を重ね、町に活動写真館があった時代の空気を少しでも表現できたらという思いで作りました。
ハルモニウムという楽器の音色からも、時代の空気感を感じ取って頂けるのではないでしょうか。

主な使用楽器
  • 能管
  • 篠笛
  • ホイッスル
  • ほか

下線のある楽器名をクリックすると写真をご覧になれます。

パーカッション

下線のある楽器名をクリックすると写真をご覧になれます。

シンバル

作品名やまなし

やまなし幻燈
youtube動画もご覧ください
小さな谷川の底で繰り広げられるお話です。

『クラムボンはわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
二匹のカニの兄弟が青じろい水の底で話しています。

クラムボンってなに??
なんでしょうね?

賢治さんのお話は、わからないわ~とよくいわれます。
よくわからないけれど、おもしろい。

小林敏也さんの描く水の底、うつくしくて行ってみたくなります。

国語の教科書にもよく掲載されています。

上演時間20

音楽制作にあたって

川の中の水がゆらゆら揺れる感じを木琴(バラフォン)で表現しています。
回を重ねるごとこ使用楽器も少しずつ変わり、近年ではオカリナなども使用しています。
主な使用楽器
  • 能管
  • 篠笛
  • 鳥笛
  • オカリナ
  • ほか

下線のある楽器名をクリックすると写真をご覧になれます。

鳥笛
パーカッション
  • リンディック(バリ島の竹琴)
  • ケンガリ
  • ほか

下線のある楽器名をクリックすると写真をご覧になれます。

作品名雨ニモマケズ

雨ニモマケズ幻燈
youtube動画もご覧ください
賢治さんといえば
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ・・・

という詩がとても有名ですね。

この詩は賢治さんのトランクの中の手帳に書かれていたものです。
亡くなってから発見されました。

誰かに読んでもらうつもりもなく書かれたこの詩は今や世界中の人々に読まれています。

その手帳の51頁から雨ニモマケズがはじまっています。
小林敏也さんは51頁から60頁を20枚の画にされました。
賢治さんの言葉とデザイナーかつイラストレーターである小林敏也さんの独自の世界とおほんゴギーノのコラボレーションをお楽しみください。

上演時間6

音楽制作にあたって

賢治がメモのように書き残した、自分自身への誓いや祈りのような言葉を、じっくり味わっていただくには・・・

そんな思いで、幻燈会ではまず音楽なしの朗読のみで語り、
その後に画と音楽(能管とミラーヴ)で即興的にコラボレーションしています。
主な使用楽器
  • 能管
  • ほか

下線のある楽器名をクリックすると写真をご覧になれます。

パーカッション

下線のある楽器名をクリックすると写真をご覧になれます。

ミラーヴ

作品名注文の多い料理店

注文の多い料理店幻燈
youtube動画もご覧ください
風がどう吹いてきて、草はざわざわ、木の葉はかさかさ、木はごとんごとんと鳴りました。

都会から、狩りにやってきた二人の若い紳士。お腹を空かせて山奥で見つけたレストラン『山猫軒』
そこは『注文の多い料理店』でした。
さぁ扉の向こうにはどんな世界が広がっているでしょう。

小林敏也さんのさまざまな扉の画がとても洒落ています。

賢治さんといえば、生前出版された本は『春と修羅』(詩集)と童話集『注文の多い料理店』の2冊。

余談になりますが。。。
大正13年(1924年)賢治さん28歳の年の12月1日付でイーハトヴ童話『注文の多い料理店』が刊行されています。
装丁画は菊池武雄。四六判194頁。定価1円60銭、初版1000部。

賢治さんはこのうち100部を印税がわりにもらったそうです。また本が売れず、出版社が困っていたので、お父さんから300円借りて200部買入れしたそうです。「序」の他に『どんぐりと山猫』、『狼森と笊森、盗森』、『注文の多い料理店』、『烏の北斗七星』、『水仙月の四日』、『山男の四月』、『かしわばやしの夜』『月夜のでんしんばしら』、『鹿踊りのはじまり』の計9篇があります。

上演時間23

音楽制作にあたって

主な使用楽器
パーカッション

作品名かしわばやしの夜

かしわばやしの夜幻燈
youtube動画もご覧ください
「おい君、行こう。林へ行こう。おれは柏の木大王のお客さまになって来ているんだ。おもしろいものを見せてやるぞ。」


かしわばやしでくりひろげられる柏の木たちの歌合戦に、木こりの清作と背の高い風変わりな画かきが訪れます。


しまいには空からおかしな鳴き声の集団がやってきて、、、


おほんゴギーノの名前の由来になったお話です。うたがたくさん出てきます。

音楽家、植松葉子・入野智江作曲のうた、鍵本景子も柏の木になって節をつけています。



なかでも入野智江のお月さんの歌はとても人気です。



まかふしぎなお話であります。

上演時間36

音楽制作にあたって

主な使用楽器
パーカッション